「自由になりたい」
「もっと自分の思い通りにできたらいいのに」
と思ったことはありますか?
「ある!」「常に思ってる!」と答えた人は多いのではないでしょうか。
でも、もし本当に何でも自由に選べるとしたら、迷わずに選べるでしょうか。
選択肢が多すぎると、かえって選べなくなる。
この「選択の自由の罠」は、「ジャムの法則」という実験でもよく知られています。
この記事では、ジャムの法則と、その後の研究で分かってきたこと、そして選ぶ側・選んでもらう側それぞれのヒントをお伝えします。
自由とは「選べるものが増える」こと
親に干渉されたくないから、早く家を出たい。
上司の言うことに従うことに疲れた、自分で思い通りに業務を進めたい。
周りから求められるものばかりではなく、自分の作りたいものを自由に表現したい。
自由にお金が使えたら、ハイスペックのPCが買えるのに。
仕事・家事・育児・地域のイベント参加などで、自由な時間がない。
などなど、時代や年齢を問わず、人は「自由」を求めて日々戦っているといっても過言ではありません。
「自由を手にする」とは、「選べるものが増える」と言い換えることもできます。
私たちは今、それぞれ制限された限られた選択肢の中で、自分なりの尺度を持って日々選択し続けているのです。
選択肢が多いと選べない? ジャムの法則とは
24種類と6種類のジャムの実験
2000年に、心理学者のシーナ・アイエンガーさんとマーク・レッパーさんが発表した実験があります(論文:When Choice is Demotivating)。
スーパーの試食コーナーに、ジャムを24種類並べたときと、6種類並べたときで、お客さんの反応を比べたものです。
- 試食コーナーに立ち寄った人:24種類のときは60%、6種類のときは40%
- 立ち寄った人のうち、ジャムを買った人:24種類のときは3%、6種類のときは約30%
選択肢が多いほうが人は集まるのに、買う人は少なかった。
この結果から、「選択肢は少ないほうが選ばれやすい」という考え方が広まり、
「ジャムの法則」や「選択のパラドックス」と呼ばれるようになりました。
その後の研究では「いつもそうなるわけではない」
ただし、この話には続きがあります。
2010年に、ベンヤミン・シャイベヘンネさんたちの研究チームが、「選択肢が多すぎると選べなくなるのか」を調べた50の実験の結果をまとめて分析しました(論文の情報:Journal of Consumer Research)。
その結果、選択肢の多さによる影響は、平均するとほぼゼロ。
ただし、実験によって結果は大きく違っていました。
つまり、「選択肢が多いと、いつも選べなくなる」わけではなく、
条件によって起こったり、起こらなかったりするということです。
この研究を紹介した記事では、何を選びたいかが事前にはっきりしている人にとっては、
選択肢が多いほうが良い場合が多いとも説明されています(ScienceDaily(英語))。
迷うかどうかを分けるのは、選択肢の数だけではない。
そこで大切になるのが、次の「自分なりの尺度」です。
選ぶ側に必要なのは「自分なりの尺度」
もし「もうなんの制限もしないので、自由に生きてください」と言われたら、
自分はどのような選択をすると思いますか?
時間もお金も気にせず選べるとなれば、選べるものの幅は一気に広がります。
でも、何もかも自由で無制限の中から選ぶには、かなりの情報処理能力、情報選択能力が必要です。
自由だからこそ、自分にとって本当に必要なモノ、サービスであるのかを見極める力が必要なのです。
尺度がないと、ブレてしまう
正直に言うと、私は優柔不断です。
だからこそ、「自分の尺度と方向性に合うかどうか」を意識しておかないと、すぐにブレてしまいます。
今の時代、情報もモノも溢れかえっていて、ただでさえ選ぶことが難しい状況です。
せっかく選択の自由があっても、選択する力=自分なりの尺度がなければ、その自由を楽しめないのです。
尺度の決め方
尺度は、いきなり立派なものでなくて大丈夫です。
今の自分はどのようなことで困っているのか。
これから自分が取り掛かることに、どのようなことが必要になってくるのか。
細かく条件を挙げたりイメージしたりして、少しずつ自分なりの尺度を決めていきましょう。
自分なりの尺度を持っていれば、少なくとも、ネット広告のおすすめに振り回されてつい無駄遣いしてしまうことや、
ダラダラおすすめ動画を見たりSNSをスクロールしたりして時間を無駄にすることは減っていきます。
もちろん、全てが無駄というわけではありません。
流し見していたものをきっかけに、自分にとって大切なことに気づいたり、
思いがけない出会いがあったりすることもありますから。
選んでもらう側のヒント
ここまでは「選ぶ側」の話でした。
商品やサービスを「選んでもらう側」にとっても、ジャムの法則とその後の研究はヒントになります。
選択肢の数そのものより、「お客さんが自分に合うものを判断できるかどうか」が大切です。
- 「こんな人に」を書く:メニューやプランごとに、どんな人に向いているかを書く
- おすすめを1つ示す:迷ったときの目安になる「まずはこれ」を示す
- 違いを比べやすくする:料金や内容を、表などで並べて見せる
お客さんが自分の尺度で選べるように手助けすることが、選ばれやすさにつながります。
尺度は、自分だけの武器になる
自分なりの尺度で選び続けていると、知らず知らずのうちに、自分の軸が定まっていきます。
そして、それが自身の唯一無二の特徴、生きるための武器となっていくのです。
まとめ|選択の自由を楽しむために
- 自由とは、選べるものが増えること
- ジャムの法則は有名だが、その後の研究では「いつもそうなるわけではない」と分かってきた
- 選ぶ側は自分なりの尺度を持ち、選んでもらう側は選びやすく見せる
まずは、今の自分が困っていることを、3つだけ書き出してみてください。
それが、あなたの尺度の出発点になります。
お客さんに「選ばれる」紹介文の書き方は、こちらのコラムで書いています。
→ 欲しくなるきっかけは「紹介の仕方」|セールスライティングの型と、あおらない書き方
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